瀬戸内海国立公園内にある緑地清掃作業を巡り、坂出市観光協会が県などに委託料を架空請求していた問題で、同協会の会長を務める松浦稔明市長は28日、正式に架空請求していたことを認めて謝罪し、以前から慣例的に行われていたことを明らかにした。県と県観光協会はこの日、同協会に592万890円の返還を請求。松浦市長は「本人から申し出があった」として、同協会の前事務局長(66)と元事務局長(71)が代理弁済し、私的流用がなかったことを理由に2人の刑事告訴を見送ると説明した。
市役所で記者会見した松浦市長は、「コメントできない」と繰り返していた前日から一転、「不適切な事務処理の事実が判明した。会の代表者として遺憾で、市民や観光協会員、ボランティアの皆様に深くおわびする」と頭を下げた。
さらに、市長自身が前、元両事務局長から「架空請求は慣例的に行われていたが、市長や前任者に悪いと思って言い出せなかった」などと報告を受けていたと説明。「帳簿の収支や残高は一致しており、私的流用はない」と強調した。
それぞれの代理弁済額については、在職期間に基づいて前事務局長(2003~07年度)が324万3864円、元事務局長(02年度)が267万7026円と算出。市観光協会はこの日開いた正副会長会で代理弁済を了承、12月1日の役員会で正式に決定する。
松浦市長は「このままずさんな事務処理を続けていれば、協会の存在自体どうなるかわからなくなる。今後は決済システムを設けるなどして再発を防止したい」と話していた。
一方、県はこの日、架空請求の実態を詳細に公表した。県が2002~06年度に市観光協会に委託したトイレ掃除の場合、年間52~104回で契約を交わしていたにもかかわらず、実際には6割強の回数しか作業をしておらず、中には半数以下の場所もあった。
園地の除草・清掃作業についても、「地元住民らがきれいに掃除してくれている」との理由で、一度も清掃しないまま作業をしていたように装っていた場所があったという。
また、県観光協会が委託していた園地の清掃業務では、同じ住所にある県の委託先で作業した際、県と同時に同協会にも作業したと偽って請求していたケースがあった。同協会に提出する出勤伝票には、市観光協会の当時の事務局長が作業員の名前を記入し、押印していた。
県の調査に対し、市観光協会は「契約単価が安く、県から内容について詳しい説明を受けていなかった」と釈明しているという。県は「県観光協会の委託契約は来年度から廃止し、県の契約分については、職員が現場に出向き、契約通りに作業が行われているか確認するなどして再発を防ぎたい」としている。
坂出市観光協会の架空請求を正式に認め、謝罪する松浦市長(坂出市役所で)