山梨県民信用組合
着服は十数年も続き、総額は6億円近くに膨れ上がっていた――。不祥事が続く山梨県民信用組合(甲府市)が21日発表した男性幹部職員2人の預金着服は、長年にわたるずさんな管理体制を改めて浮き彫りにするとともに問題の根が深いことを示した。同信組は職員が支店を異動後も同じ顧客の担当を続ける「属人的管理」などに原因があるとして、顧客管理方法の変更などの抜本的な再発防止策を打ち出したが信頼回復の道のりは険しい。
同信組によると、2人は元本部調査役(50)と元支店次長(45)で、いずれも9月の内部調査で発覚した。
元調査役は発覚まで約17年間、複数の支店在籍中に担当していた顧客の定期預金を勝手に解約したり、顧客への融資を装って貸付金をくすねたりするなど約10人の顧客から総額約4億200万円を着服。定期預金の解約や無断融資がばれないよう、別の顧客の定期を新たに解約して着服金を補てんに充てるなど「自転車操業」(坂井俊次・理事長)したため、着服総額が膨らんだ。実際に使い込んだのは約1億3000万円で、内部調査に対し、「自分でやっていた商品先物取引や株式投資に使った。損をしたので着服を始めた」などと話しているという。
元支店次長は約13年間、約10人の顧客から預金を無断で引き出したり、支店金庫の現金を盗んだりするなどして総額約1億7700万円を着服。元調査役と同様に穴埋めも行ったうえ、約4200万円を「外車数台の購入や自宅新築費用、遊ぶ金に使った」と話しているという。
坂井理事長ら役員2人は記者会見を開き、「取引先や地域の皆様に多大なるご心配をご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げます」と謝罪。不正事務を見抜けなかった2人の上司ら関係者も処分する方針を明らかにした。
不祥事が相次いだ原因については「別の支店に異動後も前の顧客を担当し続けたり、顧客から長期間、定期預金証書を預かったままにするなど思いもしないことが行われていた」と説明。再発防止策として〈1〉職員単位の属人的な顧客管理を完全に撤廃し、支店管轄ごとの顧客管理に変更〈2〉事務室内に防犯カメラを設置するなど職員の行動監視を強化〈3〉長期間引き出しのない定期預金口座の出金停止〈4〉役員が幹部と職員に対し、定期的な面談を実施――など9項目を掲げ、一部はすでに実施を始めた。坂井理事長は「ルールをしっかり実践していけば不正は出来ない」と話した。
ただ、同信組では今回の問題を含め、この2年余りで計6件の不祥事が発覚しており、あきれている預金者は少なくない。


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